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剱岳の早月尾根(標高差2500m)を日帰りしてきました。
3年前の7月上旬、馬場島~早月尾根~剱岳~剱沢~阿曽原~欅平の予定で馬場島に行ったら、「雪がたっぷり・・死にに行くようなもの」と言われ、風呂に入り、一緒に酒を飲んで帰ってきました。
今回はリベンジの意味もありましたが、日帰りすること(その体力があるか)がねらいでした。
前日の午後3時に大阪千里発、夜9時過ぎに馬場島到着。

■馬場島~早月小屋
予定より1時間遅い5時にヘッドランプをつけて出発。いきなりの急坂、しばらく登ると平坦、そしてまた急坂・・。岩と木の根の歩きにくい道を登っていきます。標高1200mあたりから200mピッチで標識が出てくる。1400m,1600mと出てくるのが気を楽にしてくれる。剱岳の本峰と北方稜線が見えてくると早月小屋。北に毛勝山、南に大日岳が見える。

■早月小屋~剱岳
小屋からしばらくは、岩と木の根とハイマツの急坂を登ったり下ったり。
矢印の通りに登ったら右が断崖絶壁・・。前夜、山岳警備隊の2人が「崩落箇所近くでルートを変え、安定していないところがあるので気をつけて下さい」と言っていたところか。
マークが少ないために「この岩場を登るの?」と思えるところや、滑ったら数十メートル落ちると思うところも数箇所。
小屋から1時間半ぐらい進んだところで、目の前に劔の本峰がドーンと現れる。

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ここからが早月尾根の核心部?と思いながら進むと、記録でよく見る鎖場が出てきた。鎖をにぎりながら水平トラバース。次に下り気味の鎖。岩に打ち込まれ、踏まれて曲がったボルト。このあたりが「カニのはさみ」のようだが全然問題なし。むしろカニのはさみまでの方が難しい。

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それを越えると、これでもか、これでもかと、過剰な鎖が出てくる(写真なし)。しかし、ルートを見失わないのには役に立つ。積み重なった岩の上に青空が見えてきたら頂上は近い。
頂上からは、富士山とアルプスのほとんどの山が見えた。

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パチリパチリと写真を撮ったけど、期待したほどの感動がない。すでに8時間近くが経過し、この分だと下山は日没後の19時になる、そして登り以上に下りは慎重にならなければ・・・という思いがあったからか。

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■剱岳~馬場島
にぎりをひとつほおばって急いで下山開始。時間は午後1時、最後の下山者です。絶対に滑落してはいけないと、後向きなどで慎重に下ります。こんなに長かったと思うほど、早月小屋までが長かった。小屋付近でガスが出てきた。
どんどん下り、夕方5時頃に薄暗くなってきたので、ヘッドランプをつけた。霧で前がよく見えない。絶対に滑って谷に落ちてはいけないと慎重に足を運んだが、ツルッと滑って尾てい骨を強打してしまった。
早月川の音が大きくなり、馬場島荘の光が見えたとき、ホッとしたより、「助かった」に近い気持ちだった。

そのあと、上市町の「都」で名物のラーメンをいただいた。「上市町アルプスの湯」は時間アウト。そのまま大阪に向けて北陸道を走り、日付が変わる頃から滋賀県多賀SAで朝まで寝て、8時過ぎに大阪千里に無事帰りました。

コースタイム15時間半に対して、当初の予定は10~12時間。実際は13時間半と予想以上の苦戦を強いられ、しかも最後はヘッドランプつけてのナイトハイク(笑)。しかし、30代に登った「別山尾根」「源次郎尾根」につぐ3つ目のルートから劔岳に登れたこと、標高差2500mを日帰りできる体力があることを確認できたことで、大満足です。
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2016.10.16 / Top↑
思い立って出かけた信州一人旅の最終日は焼岳へ。
前夜泊まった「道の駅・風穴の里パーキングホテル」から中ノ湯へ。
黄葉のブナ林、針葉樹林を抜けると、噴煙を上げる焼岳が見えてくる。
登るにつれて、紅葉や笹原と焼岳がつくる眺めがなんとも美しい。
だんだんときつくなる急斜面を登り詰めると、青い水をたたえる火口湖があった。
吹き出す水蒸気と強烈な硫黄の臭いのそばをトラバースし、最後の岩場を登ると焼岳の頂上。
頂上からは、穂高岳、槍ヶ岳、笠ヶ岳、加賀の白山、乗鞍岳、富士山など360度の眺望。
眼下には上高地も見える。
そのまま持って帰りたいような景色をのんびりと眺めたあと、去りがたい気持ちを抑えながら下山。
そのあと中ノ湯で汗を流し、安房峠経由で高山の町に下りて、大阪へ車を走らせた。
少しせわしかったけど、天気にも恵まれ、忘れられない一人山旅になりました。

真っ青な空をバックにブナの紅葉が映える
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樹林の向こうに焼岳が見えてきた
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青い空、岩と紅葉が美しい!
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焼岳の噴煙が見えてきた  このあたりの登りはきつい!
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鞍部から火口湖が見える
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水蒸気が出ている下をトラバース
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穂高岳と遠く槍ケ岳  この角度からの穂高ははじめて
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上高地の俯瞰
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笠ヶ岳
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乗鞍岳
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加賀の白山
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稜線の上に少し出ているのが富士山
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記念に自撮り・・・
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下山途中に穂高をもう一度パチリ
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真っ盛りの黄葉・紅葉を持って帰りたい気持ち
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中ノ湯は落ち着いたいい宿
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宿からは、天気が良ければ穂高が見える
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安房峠から、もう一度穂高をパチリ!
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2015.10.18 / Top↑
海の日の3連休を使って、北アルプスの剱岳(2999m)周辺に遊ぼう!
そう思って、少し早めの夏山プランを立てた。

1日目:大阪-富山-上市-馬場島(泊)
2日目:馬場島-早月小屋-剱岳-剣沢(泊)
3日目:剣沢-真砂沢-仙人峠-阿曽原(泊)
4日目:阿曽原-欅平-宇奈月-富山-大阪

相棒の都合がつかないので、安全にやや不安はあるものの、今回は単独行と決めた。
剱岳は過去登っているが、早月尾根(標高差2000m、9時間)は初めてのコース。
ややハードだが、夕方4時には目的地に到着できる、余裕のあるプランと思っていた。
ただ問題は、北陸~東北の天気予報に雨マークがあること。梅雨が明けていないのだ。

Photo:富山電鉄富山駅
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これまで利用した夜行列車が廃止されたので、昼の日中、サンダーバードで富山へ。
新幹線の建設が進む富山駅で富山電鉄に乗り換え、上市へ・・
上市でタクシーに乗り、剱岳の北の登山基地・馬場島に2時半に到着。

馬場島荘は、約10年前に建て替えられた公営の施設のようだ。
今晩は、ここにお世話になる。

Photo:馬場島荘
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登山客でごった返していると思ったら、私一人・・どうやら貸し切り状態。
雨マークのついた天気予報に敏感に反応したのだろう。

宿の主人は、「今年はまだほとんど入っていないよ」
「明日中に剱沢に降りるんなら、出発は4時でないと・・」
「早月小屋の上部、2400mから上は雪が多くて迷いやすいよ」と、攻めてくる。

早月小屋に電話を入れると、「ピッケルがないと無理ですよ」とあっさり言われてしまった。

Photo:小屋の向こうに剱岳が見えるはずだが・・
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やれやれ、るんるんの夏山を想定してきたのに、これでは冬山だ。
おまけに外は、だんだんガスってきた。
夕方の天気予報は、3日間雨だと言っている。

明日は、早月小屋(2200m、5.5時間)まで行って、降りてこよう。
そう言い聞かせながら、噂に聞く馬場島荘の山の幸・海の幸をいただいた。
メインのトンカツは、私にはちょっと負担だったが(笑)

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夜中、激しい雨の音で目が覚めた。夜が明けても収まる気配はない。

今回はやめて、このまま下ろう。
私のために5時に準備された朝食をいただきながら、そう決めた。

島根から朝着いた登山者に乗せてもらい、上市へ・・
そのあと、富山市の隣・舟橋村に住む友人夫妻を訪ねて、しばし歓談。
富山のおいしい蕎麦をいただいて、夕方6時には大阪に着いた。

パンフレットの「剱岳・早月尾根」は、恐ろしいほどのパワーで迫ってくる。
この山は、やはり他の山とは違う・・・
今回は幻に終わったが、また登ろう。
蒸しかえる大阪に着いて、そう思った。

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2013.07.14 / Top↑
7月末の常念山系で出会った花たち

まずは、燕岳周辺のシンボル・・コマクサ
駒(コマ)・・つまり、馬の顔に似ているからつけられた名前

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パチパチと火花を散らす線香花火のような・・シモツケソウ

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図鑑で見ると・・イチヨウランのような
根本に一枚だけ葉っぱがあるからとか
餓鬼岳への急坂の途中で、はじめてみました。

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ハクサンチドリでしょうね。

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丹波のたぬきさんによると、ウラジロヨウラク
千メートル級の山で見るのと、ちょっと違うような

葉っぱの裏が白いから「ウラジロ」
ヨウラク(瓔珞)は、仏像・仏壇などの天蓋に掛ける装飾・・うーん知らなかった。

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えーっと、菊のような、ウサギギクですね。

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チングルマとコイワカガミ
いつも一緒ですね。

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こちらは、花を終えたチングルマ
名前の由来になった稚児車のように渦を巻いていますね。

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タカネグンナイフウロ
同じフウロでも、ハクサンフウロなどとは、印象がちがいます。

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タカネシュロソウ?

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テガタチドリ・・これも丹波のたぬきさんのご教授です。

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こちらは、よく似ているノビネチドリ?

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7月下旬は、高山植物のベストシーズン!
このほかにも、いっぱい、いっぱい楽しませてもらった。

今頃は、受粉も終えて、厳しい冬に向けて準備をしているかな。
2012.08.22 / Top↑
4日目、今日は下山の日です。
5時、朝食をいただいていたら、ガラス窓越しに、朝日を浴びたシルエット!
なんと、槍ケ岳から中岳、南岳へとのびる稜線です。

おもわず、カメラを持ってベランダへ出て、パチリ、パチリ!

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荷物を整え、6時
「お世話になりました。
 元気であれば、また寄せていただきます。」
お礼を言って、小屋を出た。

槍ケ岳~南岳~北穂高のパノラマをもう一度目に焼き付けて・・
長い影が名残り惜しそうです。

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一の沢のコースは、樹林帯から沢沿いに抜ける、快適なコースだ。
振り返ると、前常念岳へ続く尾根の向こうに、雲一つない青空だ。
そう、どういう訳か、山は下山の日に、一番の快晴になる。

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9時半、ヒエ平の登山口に到着。
小屋で頼んでいたタクシーが時間通りに待機してくれていた。
そのまま、穂高駅へ、そして電車で、車を置いていた信濃大町へ・・

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信濃大町で蕎麦をいただいた後、松川村の「安曇野ちひろ美術館」へ・・・
一度行ってみたいと思っていたが、ロケーション、空間構成、展示や説明などに、
岩崎ちひろの人となりや訪れる人へのやさしさが感じられ、いつまでもいたい気持ちだ。

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お土産には、信州産のリンゴジュース、ちひろの絵本と絵はがき・・
そのまま、高速道路に乗り、夜中まで快晴だった空を眺めながら、10時頃に千里に着いた。

餓鬼岳から常念岳まで、のーんびりとアルプスの稜線歩き・・・
山では今度も喧嘩ばかりだったけど(笑)、僕たちの思い出深い、2012年の夏山が終わりました。

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2012.08.19 / Top↑