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5/16~18の3日間、
奈良県下北山村の前鬼から吉野町までの大峯奧駈道を相棒と2人で歩いてきました。

吉野から熊野本宮までの170kmの北半分だから、少なくとも70~80kmを歩いたことになります。
吉野から入り前鬼に抜ける逆峯(ぎゃくふ)が一般的ですが、
バスの便などから、前鬼から吉野に抜ける順峯(じゅんぷ)としました。

このコースは、吉野から入り、山上ヶ岳、弥山、前鬼の3カ所に宿泊する4泊4日が一般的ですが、
僕たちは日程の関係で、これを2泊3日で歩きました。

(Photo:バスから見える大滝ダム上部の斜面地に形成された集落)

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僕たちは、大峰山系北部の主な山を何度となく登ってきました。
今回の奧駈道縦走は、これらの山々を一本の道でつなぐという、節目の意味を持っています。
そして、この長いルートを修験者と同じように歩き通すという、肉体的・精神的な修行に近い意味も持っています。
この数年間暖めてきた大切なプランです。

(Photo:林道沿いにしばらく続く池原ダムの湖面)

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阿部野橋駅(大阪市)から近鉄吉野線で大和上市駅(吉野町)へ。
バスに乗り、川上村の杉の湯で前鬼行きバスに乗り換え、前鬼口へ。
前鬼の宿坊をめざして、前鬼川沿いの林道を歩きます。
新緑がまぶしい・・・。

(Photo:林道を進む相棒H)

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林道沿いには、花びらのような白いガクを一杯付けた
ガクウツギがあちこちに見られ、心を和ませてくれます。

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しばらく進むと不動七重滝が見えてきます。
岩山を背景に何段にも分かれて水が落ちる様は、なかなか見応えがあります。
日本の滝100選に選ばれているそうです。

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2005.05.20 / Top↑
不動七重滝のアップです。

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岩山をくりぬいたトンネルが続きます。

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林道から見た前鬼川です。
このあたりは絶壁です。
水がコバルトブルーです。

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途中、こんな看板がありました。
やはり大峰山系は、山が深いのです。

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橋から見た、前鬼川の淵です。
透きとおった水に、周囲の緑が写っています。

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2005.05.20 / Top↑
3時間弱で前鬼の宿坊「小仲坊(おなかぼう)」に到着しました。
左の古い建物が宿泊所、真ん中の新しい建物はトイレです。
この施設の主、五鬼助義之(ごきじょよしゆき)さんの母屋は右手奥にあります。
手前に棚田状の土地は、かつて他の宿坊がたくさんあったところです。

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小仲坊の門です。
寺のような構えの立派な門です。

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僕たちは、風呂に入れていただいたあと、食事をいただきました。
昔ながらのお膳で出された食事に、気持ちが引き締まりました。
器の中には、高野豆腐・油揚げ・野菜の煮物、キウリの酢の物、
アスパラのおひたし、卵焼き、焼き塩鮭が入っており、
それにご飯、みそ汁の献立でした。
五鬼助さんのお話によると、小仲坊では伝統的に4足の動物は使わず、
蛋白質はせいぜい魚、玉子までだそうです。
山間にありながらのご馳走に感謝しながら、何杯もお代わりをしました。

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食事のあと、僕たちは五鬼助さんから興味深いお話を伺いました。
「今から約1300年前に大峯奧駈道を開いた役小角(えんのおづね)に仕えた
前鬼・後鬼の夫婦に5人の子どもがあり、その子どもが前鬼に5つの宿坊を設けた。」
「盛時には、ほかに約40もの宿坊があり、それぞれ奧駈講の会員をたくさん抱え、栄えた。
しかし、明治になり、修験道は国から解散を命じられ、次第に宿坊の数が減り、現在は小仲坊のみになった。」
「第61代目の当主である五鬼助さんは、小仲坊を弟やおじさんに任せて、
大阪でサラリーマンをしていたが、約10年前に前鬼に帰り、今日に至っている。」
(Photo:敷地内の階段と擁壁 頑丈なつくりから、往時の繁栄が偲ばれます)

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そう話す”平成の鬼”は、お話し好きで、笑顔が素敵な方でした。
しかし、土砂崩れで車が途中までしか入らない、標高800mの気候の厳しい場所での生活は並大抵ではないはず・・。
サラリーマンをやめ、奧駈の人々をもてなす生活を送らしめているのは、
前鬼・後鬼の末裔という自覚によるのでしょうか。
1300年の時間を経た、まさに世界遺産と言える”平成の鬼”の前で、
僕たちはなんだか、ありがたい気持ちになりました。
大峯奧駈道と奧駈、そして五鬼助さんの子孫と小仲坊が末永く続きますようにと祈りながら、
明朝早くの出発に備えて、床につきました。
(Photo:小仲坊の主人・五鬼助義之さん)

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2005.05.20 / Top↑