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八月の中旬、上信越の2つの山に遊んだ。
快晴に恵まれた北海道の山旅から帰って、曇りや雨のぐずついた天気が続いた。
天気予報は、雨マークだったが、雨が降ることは覚悟の上での山行です。

まずは、群馬・長野・新潟3県の県境に位置する白砂山(2140m)

8月15日の午後、山の相棒、Oさんと私の3人で大阪を出発。
名神道、中央道、長野道、上信越道、関越道へと入り、渋川伊香保ICで下り、一般道を西進。
中之条町の六合(くに)の道の駅を越えて、どんつきの野反湖(のぞりこ)へ夕方明るいうちに到着。
※上田菅平ICで下り、嬬恋村、長野原町を経由した方が約2時間早いけど、
  山の中のくねくね道を避けたいとの判断からでしたが、やはりくねくね道でした。

野反湖のサービスセンター近くで宿泊し、翌16日の5時半に登山口出発。

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いったん登ったのちにハンノキ沢へ下り、また登っていきます。
皇太子さまが登った山のようで、そのためか登山道、標識が良く整備されています。

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地蔵峠に到着? 
左に行けば「切明・和山」・・・秋山郷で知られる長野県栄村のようです。
ここにある苗場山、佐武流山(さぶりゅうやま)、鳥甲山(とりかぶとやま)は、この秋に登る予定です。

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地蔵峠からは、尾根を登っていきます。
途中、シラビソ尾根の標識がありました。
たしかに、ダケカンバ、クマザサなどとともに、シラビソ、モミ、コメツガなどの針葉樹が多い。

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3回ほど小さなアップダウンを繰り返したのちに、2時間半でピークらしくない堂岩山に到着。

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下って、八間山との分岐を過ぎた頃から、雨が降り出した。
晴れていれば、眺望が素晴らしい、ルンルンの尾根道のようだが・・

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猟師の頭を越えたあたりから高山性の花が出てきた。
ミヤマホツツジ?

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ミヤマアキノキリンソウ?

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ハクサンフウロ

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タテヤマウツボグサ?

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○○リンドウ?

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雨の中、ひたすら登っていきます。

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9時半、4時間かかって白砂山に到着。

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頂上にこんな看板が・・・
北の佐武流山方面へむけて、かつてあった道がなくなっているようだ。

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このあと、時折激しくなる雨の中、来た道を歩き、靴の中までずぶ濡れになって、午後1時に下山。

沼田に向けて車を走らせ、沼田の名物という河岸段丘を眺めながら、

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これまた名物というトンカツをいただいたのちに、次の皇海山に向かいました。

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2014.08.19 / Top↑
上信越の山旅2日目は、群馬・栃木県境にある皇海山(すかいさん、2144m)。

前日、沼田市北部の「吹割滝」から、栗原川、不動沢に沿って東進。
これ以上ないと思うほどの悪路を2時間近く走り、登山口にある立派なトイレの前で宿泊。

前夜、雷とともに激しい雨が降った。
あとで知ったのだが、福知山市や丹波市は、この夜豪雨に襲われた。

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朝には雨もやみ、5時半過ぎ、不動沢に沿って登っていきます。

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沢を徒渉、また沢沿いに進みます。

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途中で右の沢に入り、また左の沢へ

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途中から尾根道へとりつきます。

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約2時間で、鋸山との分岐のコル(鞍部)に到着。

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皇海山に向けて、尾根道を登ります。
途中、針葉樹の根が掘り起こされたり、土砂が流出したところが何カ所もあった。
いわゆるオーバー・ユース
百名山をめざす人は、みんなこの山をめざして登るという、百名山公害でしょうか?
そう言う僕たちも加害者の一人・・・

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分岐から1時間、登山口から3時間で皇海山に到着。
曇天も重なって、視界はまったくありません。

「百名山らしからぬ山・・だね」
皇海山に申し訳ないけど、僕たちの一致した感想でした。

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このあと、来た道を引き返した。

途中、30人ぐらいの中高年の男女混合パーティが登ってきた。
僕たちが道をゆずって待機していたら、一人の男性が目の前まで来て、
無言のまま休憩・・・、動きを止めてしまった。

道をゆずって待っている人の前で止まるのも問題だが、
「ありがとうございます」か「こんにちは」のひと言があっていい。

リタイアしたのちに山を始めた人を含め、猫も杓子もめざす「日本百名山」
中高年から山に登るのが悪いのではないが、深田久弥もびっくりしているだろう。

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このあと、皇海山の南の袈裟丸山に登るべく、沼田市白砂町の根利川、新地川沿いに東進したが、
登山口にたどり着くことができず、今回は見送ることにした。
どうやら、隣のみどり市側から入山するのが正解のようだ。

高速道を夜通し走り、大阪千里に着いたのは、朝の4時・・・
今回もハードな山行になりました。

2014.08.18 / Top↑
最後の山は、日高山脈の中でも難関とされているカムイエクウチカウシ山(カムエク山、1879m)
※カムイエクウチカウシは、山が急で熊が転げ落ちたの意味

24日、朝4時に中札内のキャンプ場(ぴょうたんの森)を出発、
4時半にゲート前の札内ヒュッテに到着。
ここからは、建設されたのちに放置された日高横断道路を歩きます。

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6時半、約2時間で七ノ沢出合に到着。
日高横断道の橋・・・このあたりが建設された最終地点のようです。
多くの反対がある中で建設・放置された横断道路は、日高の自然破壊を進めたといわれています。

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七ノ沢(標高570m)から頂上までの高低差は、約1300m・・・
ここからは札内川を進みます。
いきなりのやや深い徒渉に、少し緊張・・・

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赤いテープや小さな積石(ケルン)を頼りに、遡行し、林に入り、徒渉・・・

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9時前、約2時間半で八ノ沢の出合(札内川と八ノ沢の合流点)に到着
ここは、テント場になっている。

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休憩ののち、9時半、八ノ沢を登っていく。
数年前に豪雨があったようで、流木が行く手を阻みます。
今年は雪が少なかったようで、例年ならあるはずの雪渓がありません。

カムエク山が見えてきました。
その下、半月状の雪渓が見えるところが、この日の幕営地・八ノ沢カール・・・
頂上は、明朝登るか、可能であれば今日中に登るつもりです。

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12時前、1000m三股(標高約1000m)に到着。
ここからは、急な沢を登っていきます。

平成の大雪で辺り一面雪の世界だった9年前、僕たちは登り口が分からず、
1時間以上雪上をさまよったあと、ルートを発見して登り始めたが
アイゼンもピッケルも持たない夏山スタイルで来ていたために、
約300m登ったところで登頂を断念した記念すべき地点・・・
ここと、ここをご覧ください

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沢靴のまま、急な沢をどんどん登っていきます。

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このあたりから、ギョウジャニンニク、エゾカンゾウ(ニッコウキスゲ)、コバイケイソウ、エゾツツジ、
ウコンウツギ、ヨツバシオガマ、トカチフウロ、カラマツソウ、シナノキンバイなどの高山植物が、
あちこちに見られるようになった。

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滝が続きます。
37度を記録したという大阪に、そのまま送ってあげたい気分でした。

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2時半、八ノ沢カールに到着
最初に確かめたのは、熊がいないかどうか・・・・このとき熊はいなかった。

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ここは、今から46年前に福岡大のワンゲル部3人が熊に襲われて遭難死したことで有名な場所。
このことを記念する遭難碑があった。
生きていれば私とほぼ同年代の人たち・・・
冥福を祈るとともに、同じ運命にならないことを祈った。

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テントを張って、食料以外の荷物をテントに入れ、カムエク山を往復します。
遠くに日高の山々・・・手前から、札内岳、ピパイロ岳、芽室岳などが見えているのだろうか。

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霧の中、ピラミッド峰とカムエク山との鞍部からは、馬の背状の尾根を進みます。
右は八の沢のカールへの断崖、左はコイボクカールに向けて落ち込んだハイマツ帯
どちらに滑落しても、命の保証はない。

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霧の中に現れるピークに何回も騙されたあと、お花畑の斜面の向こうに、頂上らしい形が見えてきた。

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5時、カールから約2時間でカムイエクウチカウシ山に登頂
原始的な日高の山にふさわしく、三角点だけで、標識もなにもありません。

もう一度登りたい・・・9年ぶりの念願達成です。
記念写真をパチリ

ガスに遮られて、残念ながら、東隣のピラミッド峰、はるか北西の幌尻岳などは、見えません。

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1時間半で八ノ沢カールに降りてきた。
テントが見えるあたりから最初に確認したのは熊・・・
すると、テントから約200mのところに、2m以上はある大きな雄熊?が一匹、草を食べていた。

熊を見つけたときは、あわてて逃げたり、威嚇などしないで、知らぬふりがいいとされている。
熊がいても、これから暗い中、八ノ沢出合まで下る方がよほど危ない。
僕たちは、熊に襲われないことを祈りながら、熊は光や音をいやがるというので、
LEDランタン、ラジオを夜通しかけっぱなしにして、床に入った。

このとき、ふとスマホをONにしてみると、3Gが1本たった。
それで、大阪の友人に向けて、最後になるかもしれない(笑)メッセージを送った。

夜中に、テントが飛ばされるのではないかと思えるほど激しい雨と風がテントを襲った。
これでは、熊も襲ってくるまい・・・そんなことを思いながら、30分後には夢の中

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翌日は、雨もやみ、熊も見えず・・・
食事ののち、テントを撤収、6時半に下山。

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再び滝沿いの岩場を下り、沢の遡行と徒渉を繰り返しながら、午後2時に七ノ沢出合に到着。

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立派な日高横断道路を歩いて、午後4時、ゲートの札内ヒュッテに到着。

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更別村の「福祉の里総合センター」の温泉で汗を流したのちに、帯広・広尾自動車道に乗って、
小樽をめざした。約1日、フェリーの中でゆったりと過ごしたのち、26日の夜、舞鶴港に到着。
僕たちの長いようで短かった北海道・山の旅が終わりました。
2014.08.10 / Top↑
7月22日、ニペソツ岳に登るべく、新ひだか町から上士幌町まで、
一般道を約250km走り続けたが、道に迷ったこともあって、登山口に着いたのは、朝の4時・・

空は快晴を約束していたが、これでは山に登れないと、22,23日を休息日にした。
糠平(ぬかびら)のキャンプ場でテントを張り、昼近くまで爆睡・・・

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昼は、テーブルを囲んで、行動食・非常食を食べた。
山で食べる「インスタント焼きそば」がいかに美味しいかに話題が集中。

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隣には、「ひがし大雪自然館」がある。

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この施設は、環境省の 「ぬかびら源泉郷ビジターセンター」(博物展示施設)、
上士幌町の 「上士幌町ひがし大雪博物資料館」からなっている。
木を用いた、やさしい感じの建物だ。

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午後からは、車で上士幌町を見学・・
鉄道ファンに人気の旧士幌線のタウシュベツ川橋梁
1937年、地場の砂とセメントだけ(鉄筋はなし)でつくられているそうだ。

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登頂できなかったニペソツ岳
東大雪山系の中に尖峰によって存在を示す、風格の感じられる山だ。

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そのあと、最後の山カムイエクウチカウシ山(カムエク山)に登るべく、
夕方から中札内村へ移動した。

夜から雨との予報だったので、宿は「ピョータンの森」のロッジを予約した。
5人は十分に寝られるロッジ、一泊2000円(一人400円)

夜は、買い込んだ肉・野菜を使って、ビールもいただきながら、
ジンギスカンで盛り上がった。

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休息日の2日目。夜間降った雨は、朝方にはほぼやんでいた。
この日は、どういうわけか、美術館めぐりをすることになった。

最初は、帯広に近い芽室町にある、村元俊郎•美海親子の作品を集めた「画家の美術館」
旧小学校を活用しています。

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コーヒーをいただきながら歓談の後、玄関で記念撮影

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ついで、北海道立帯広美術館
特別展「写真→アート」は、写真をアートに変身させた作品というより、
写真とアートの境界(連続性)を考えさせる展示のような気がした。
自分の顔を絵の中に入れる手法で知られる大阪の森村泰昌らの作品があった。

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北海道らしいものを食べようと、帯広名物の豚丼の店に行くことになった。
だれに聞いても「パンチョ」というので、駅前の店を訪ねたら「ぱんちょう」だった。
先代が苦労して作り上げ、広く知られているが、店はここのみ・・・

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豚丼は、松竹梅とあり、豚肉が一番少ないこの松で850円、順に100円ずつアップする。

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風呂は、更別村の「福祉の里総合センター(保険・医療・福祉)」の温泉を利用させてもらった。
夜10時まで、400円・・・

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近くをぶらんぶらしていたら、道路を挟んで曙団地があった。
4~5軒の連棟式で、戸数は約120。

センターの方に訪ねると、相談員つきの高齢者向け公営住宅である「シルバーハウジング」だった。
北海道では、きっと本州以上に高齢化が進んでおり、更別村のあちこちから高齢単身者などが集まって「福祉の里総合センター」をたよりに、生活を送っているんだろうな-・・と思った。

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2日間の休息デーは、十勝や北海道を知る良い機会にもなった。
そして、最後の山・カムエク山に備えて、早めに床に入った。
2014.08.09 / Top↑
増毛から約400kmを走って、新ひだか町の道の駅みついしへ
到着した頃は、翌日(21日)になっていた。
テント2はりを張って、数時間の睡眠・・・よくやります。

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朝4時起床、国道235のの向かいには、牧場と日高山脈が広がります。
新ひだか町は、日高昆布、そして競走馬の飼育で有名なのです。

この日の目標は、神威岳(カムイダケ 1700m)
食事ののち、眠い目をこすりながら出発です。

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約1時間で神威山荘に到着。
前日神威岳に登頂したという人たちから情報収集
 ・尾根にとりついてからはブッシュの中の急登、枝や笹をつかむと良い
 ・沢、尾根ともに、沢靴だけで登った
 ・ダニが多いので気をつけた方が良い(体に入りこみ、死亡することもある)
参考になります。

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6時、小屋を出発
※神威山荘(380m)から頂上(1700m)までの高低差は、約1300m

ニシュオマナイ川沿いに、赤テープを目印に、沢を遡行、徒渉、滝を高巻き、林の中へ、また遡行・・

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神威岳のような高い山が見えてきました。

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9時前に、沢の最終地点(標高800m)に到着。
ここからは、沢から離れて、尾根を登っていきます。

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傾斜45度と思えるような、これまで経験したことがないような、急坂が続きます。
ブッシュで覆われた道を、両側の灌木の枝、クマザサをつかみながら登ります。

あれが神威岳?と思ったピークは、あとで分かったのだが偽ピーク・・・

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標高1600mを越えたあたりから、やっと傾斜が緩やかになった。
すると、遙か前方に、それらしいピーク・・・神威岳のようです。

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12時、約6時間で神威岳に到着。
記念写真をパチリ・・・
北海道の山(300名山)をすべて登り切った相棒は、どこか嬉しそう。

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頂上で昼食
K画伯は、早速にスケッチです。

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北のペテガリ方面の風景

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南の楽古岳方面の風景

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急斜面を滑り、転びながら降下、沢を徒渉しながら、午後5時に神威山荘に到着!
この日は、底の浅い沢靴で約10時間を歩き、5日目ということもあり、やや疲れました。

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下山後、みついしの道の駅で食事、そして併設のランドリーで洗濯。

その後、明後日(23日)は雨という予報を聞き、難しいカムイエクウチカウシ山を後回しにして、
22日に東大雪山のニペソツ岳に先に登ろうと、上士幌町へと約250kmの一般道に車を走らせた。

しかし、上士幌町の登山口に到着したのは朝の4時・・・これでは無理と判断、
ニペソツ岳への登頂は断念し、22,23日を休息&見学デーとしたのでした。
2014.08.08 / Top↑